こんにちは、バイヤーの中島です。

最近、70~80代の方のお買取りにお伺いすることが多くあります。終活の一環や福祉施設へ移るための整理など売却の理由は様々ですが、いずれもご本人が30～40代の時に入手された、今で言う70’～80’sヴィンテージのお品物が大半でした。

今日はその中のお買取りで入荷した椅子をご紹介します。

ジオ・ポンティデザインによる「スーパーレジェーラ699」です。1957年にカッシーナ社より発売が開始され、半世紀以上が経つ現在でも購入が可能なジオ・ポンティの代表作です。こちらは推定70～80年代頃のお品物と思われます。

見るからに軽量さを感じますが、なんと1700グラムという軽さ。ちなみに折畳みのパイプ椅子が約6500グラム程度ですから、指一本で持ち運びが出来てしまう軽快さがあります。Superleggera（超軽量）という名称にも頷けますね。椅子としての堅牢さを保ちながら、余分な材料を削ぎ落すことで生まれた三角形のフレームは、洗練された美しさを感じます。

フレームカラーはナチュラル・ホワイト・ブラックの３種。ブラックは他のカラーよりも凛とした佇まいで緊張感がありますが、座面が籐タイプですとどことなく親近感を与えてくれる気がします。籐は古くから日本人の暮らしに欠かせなかった素材なため、無意識に温かみを感じるのかもしれません。

現在、店頭で１脚販売しております。スーパーレジェーラのヴィンテージ品は入荷が稀ですので、色々な角度から眺め、座ってみていただきたいです。